こんにちは!スポーツシューズNAVIのFです。
お子さんが陸上部に入部されたり、ご自身が短距離を始めるにあたり、「中学生の陸上短距離シューズ」を探している、という感じでしょうか。シューズ売り場に行くと、カラフルなスパイクやたくさんのランニングシューズがあって、「一体どれを選べばいいの?」と迷ってしまいますよね。私にも経験があるので、その気持ち、よく分かります。
特に陸上競技の短距離は、初心者の場合、どんなシューズを何足揃えればいいのか、練習用と試合用の違い、スパイクの選び方など、疑問がたくさんあるかなと思います。顧問の先生や先輩から「土兼用のスパイクを用意して」と言われたけど「土兼用って何?」となったり、「アップシューズとトレーニングシューズは別物だから」と聞いて、その違いが分からず混乱してしまうかもしれません。
シューズ選びは本当に重要で、もし間違ったシューズ(例えば、クッションのないスパイク)で毎日の練習をこなしてしまうと、パフォーマンスが上がらないだけでなく、成長期の大切な足や膝、腰を痛める原因にもなりかねません。でも、安心してください。この記事では、中学生が陸上短距離を始めるにあたって必要なシューズの考え方や、なぜ複数のシューズが必要なのか、そして初心者におすすめの定番モデルについて、できるだけ分かりやすく、詳しく解説していきますね。
- 陸上短距離でシューズを複数使い分ける理由
- 「スパイク」と「練習用シューズ」の具体的な役割の違い
- 初心者におすすめのスパイクとアップシューズの選び方
- 定番モデルとそれぞれの価格相場
中学生の陸上短距離シューズ、おすすめ体制とは?

まず、この記事で一番お伝えしたい、最も重要な結論からお話しします。それは、中学生(特に初心者)が陸上短距離で安全にパフォーマンスを向上させるためには、「シューズの適切な使い分け」が不可欠だということです。「とりあえずスパイク1足買っておけば大丈夫」という考えは、残念ながら陸上短距離においては非常にリスクが高いんです。その理由を、これから詳しく見ていきましょう。
なぜシューズ3足が常識か
「えっ、3足も必要なの?」と驚かれるかもしれませんが、陸上短距離の選手、特に部活動で毎日練習する選手がパフォーマンスを上げて、かつ安全に競技を続けるためには、最低2足、理想的には3足のシューズを目的別に使い分けることが常識になっています 。
理由はシンプルで、陸上短距離の練習には、目的が全く異なる複数の要素が含まれているからです。そして、「速く走るためのシューズ」と「体を守り育てるためのシューズ」は、求められる機能(構造)が正反対なんですね。
例えば、もしスパイク1足だけだと、練習の大部分を占めるジョグや走り込みで足を痛め、深刻な怪我につながるリスクがあります 。
逆に、クッション性が豊富な一般的なランニングシューズ1足だけだと、2つの大きな問題にぶつかります。
- 大会のルール違反: 陸上競技の大会では、トラック種目で使用できるシューズの靴底の厚さが厳格に定められています 。近年はルールが改定され、短距離から長距離までトラック種目は一律で20mm以下となりました。最近流行りの厚底ランニングシューズの多くはこの規定を超過しており 、大会で使用すると失格になる可能性があります。
- 技術習得の妨げ: クッションが厚く柔らかいシューズばかりで練習していると、スパイク特有の「地面からの反発をもらう」というダイレクトな接地感覚を養うことが難しくなってしまいます 。
これらの理由から、中学生の短距離選手は、以下の3種類のシューズを使い分けることが理想とされているんです。
中学生短距離選手の理想的な3足体制
- ① 陸上スパイク(大会・本練習用): 最大の推進力を得るための「決戦用」の道具。
- ② アップシューズ(怪我予防・基礎練用): 脚を衝撃から守る「防具」。練習時間の9割はこれを使います 。
- ③ トレーニングシューズ(技術習得用): スパイクに近い感覚を養うための「専門靴」 。
スパイクだけで練習する危険性

陸上短距離の花形といえば、やはり「スパイク」ですよね。しかし、その構造を正しく理解する必要があります。
陸上スパイクは、トラックにピンを刺して強力なグリップと反発を得て、100分の1秒を削るためだけに特化した「道具」です。そのため、クッション性は意図的にほぼゼロに設計されています 。ソールは硬く、非常に薄いです。
考えてみてください。まだ骨格も筋肉も発達途中の中学生が、練習時間の大部分を占めるウォーミングアップや、特に冬季の長距離「走り込み」を、このクッション性ゼロのシューズで行ったらどうなるでしょうか。
着地のたびに、アスファルトや硬い土の地面からの強烈な衝撃が、緩衝材なしで足裏、スネ、膝、腰へとダイレクトに伝わり続けます。これは、成長期の身体にとって非常に大きな負担です。
結果として、シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)や足底筋膜炎、さらには疲労骨折といった、深刻な怪我につながるリスクが劇的に高まります。スパイクは、ウォーミングアップやジョグ(走り込み)で使うシューズでは絶対にない、ということを覚えておいてください。
アップシューズの役割と重要性
そこで登場するのが、2足目となる「アップシューズ」です。私は、中学生にとってはこのアップシューズこそが、スパイク以上に重要なシューズだと考えています。
なぜなら、これは陸上部員の日常を支え、成長期の選手の脚を怪我から守る「防具」としての役割が最も重要だからです 。
陸上部の練習時間の大部分(一説には9割とも)は、このアップシューズを履いて過ごすことになります 。
アップシューズの主な使用シーン
- ウォーミングアップのジョグ
- クールダウンのジョグ
- 各種ドリル(動きづくり)
- シーズンオフ(冬季練習)の「走り込み」
- 基礎体力づくりのための長めのジョギング
アップシューズに求められる性能は、スパイクとは真逆です。第一に「適度なクッション性」、第二に「安定性」、そして毎日のハードな練習(特に土の校庭での使用)に耐えうる「耐久性」です 。
一般的には、各メーカーが出している「部活生向けランニングシューズ」と呼ばれるカテゴリの製品が、これにあたります。これらは、トップアスリート向けのレーシングシューズほど高反発・軽量ではありませんが、毎日の練習で求められるクッション性、安定性、耐久性を高いレベルでバランスさせており、価格も比較的安価に設定されているのが特徴です 。
トレーニングシューズとの違い
陸上部のシューズ選びで、初心者が一番混同しやすいのが、この「アップシューズ」と「トレーニングシューズ」の違いです 。両方とも「練習用」と紹介されることがあるので厄介なのですが、この2つは目的も構造も全くの別物なので、絶対に間違えないように注意してください。
「アップシューズ」 vs 「トレーニングシューズ」
| 比較項目 | アップシューズ (例: ライトレーサー) | トレーニングシューズ (例: ウインドスプリント) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 怪我の予防、基礎体力作り | スプリント技術の習得、接地感覚の養成 |
| 主な使用シーン | ジョグ、走り込み、アップ、ダウン | ドリル、流し、ウエイトトレーニング |
| ソールの特徴 | 適度な厚みとクッション性、安定性 | 薄底、フラット(ほぼ0mmドロップ)、ダイレクトな接地感 |
| クッション性 | 高い(脚を守るため) | 低い(地面を感じるため) |
トレーニングシューズ(アシックスのウインドスプリント3など )の最大の特徴は、あえてソールを薄く、ドロップ(かかととつま先の高低差)をほぼ0mmに設計していることです 。これにより、陸上スパイクに極めて近い、ダイレクトな接地の感覚を得ることができます。
これは、母指球(足の親指の付け根)で地面をしっかり押し込む感覚や、足首の固定、正しい接地ポイントなどを意識するための「技術練習用」の専門靴なんですね 。
【最重要】トレーニングシューズでジョグや走り込みは絶対にしないでください!
もう一度繰り返しますが、これは非常に重要です。トレーニングシューズには、ジョグの衝撃を吸収するようなクッション性は意図的に持たせてありません 。もし、クッション性が必要なジョグや「走り込み」にこのシューズを使ってしまうと、スパイクで走るのと同様に、非常に高い確率で足を故障してしまいます。必ず「アップシューズ」と併用することが絶対条件です 。
初心者はまず2足の準備を
理想は3足体制ですが、陸上部に入部したばかりの初心者が、まず最初に絶対に揃えるべきなのは、以下の2足です。
中学生・初心者の必須セット (2足)
- ① 陸上スパイク(大会・本練習用) = パフォーマンス最大化のための「攻め」のシューズ
- ② アップシューズ(ジョグ・走り込み用) = 怪我予防と基礎体力づくりのための「守り」のシューズ
この2足を揃えることが、中学生の陸上生活のスタートラインとして絶対条件ですね。この2足で練習と試合のサイクルを回し、競技に慣れて、より専門的なスプリント技術(ドリルなど)の質を高めたくなった段階で、3足目の「トレーニングシューズ」を導入するのが、最も理想的で安全なステップかなと思います 。
中学生の陸上短距離シューズ、おすすめモデル紹介

では、具体的にどんなモデルを選べばいいのでしょうか。「中学生の陸上短距離シューズ」として、まず揃えるべき「スパイク」と「アップシューズ」を中心に、おすすめの選び方と定番モデルを紹介しますね。
最初のスパイク選び、2つの原則
最初の1足となる「陸上スパイク」選びは、とてもワクワクする瞬間ですが、同時に非常に重要です。いきなりトップ選手が履くような高価でピーキーなモデル(反発が強すぎる、安定性が低いなど)を選ぶと、まだ筋力や技術が未熟な中学生はシューズの性能を扱いきれず、逆に怪我のリスクを高めることにもなりかねません。
ですから、中学生の初心者が「最初の1足」を選ぶ際には、以下の2つの原則を守ることを、私は強くおすすめします。
原則1:「土トラック(アンツーカー)兼用」を選ぶ
陸上スパイクは、使用するトラックの表面素材によって、大きく2種類に分類されます 。
- オールウェザー(全天候型)専用スパイク: 陸上競技場の赤いゴムのようなトラック(タータン)でのみ使用できるスパイク。ソールが硬く、反発性を最大化する設計。
- アンツーカー・オールウェザートラック兼用スパイク(通称「土兼用」): 競技場のオールウェザートラックと、学校の校庭のような土のトラック(アンツーカー)の両方で使用できるスパイク 。
この分類において、中学生の初心者が選ぶべきは、間違いなく「土兼用」モデルです。
その理由は、中学生の練習環境にあります。多くの公立中学校の陸上部は、日常の練習場所が学校の「土の校庭」です 。競技場のオールウェザートラックで練習できるのは、週に数回、あるいは大会の時だけ、というケースがほとんどではないでしょうか。
もし「オールウェザー専用」スパイクを購入してしまうと、日常の練習の大部分を占める「土の校庭」でスパイクを使った技術練習ができなくなってしまいます。土兼用モデルであれば、練習(土)でも試合(オールウェザー)でも、同じ1足で対応が可能です 。この汎用性の高さこそが、中学生の最初の1足として「土兼用」モデルが必須である最大の理由です。
原則2:「オールラウンドモデル」を選ぶ
スパイクの分類には、サーフェス(土兼用か)とは別にもう一つ、「対応種目」による分類があります 。
- 種目専用モデル: 100m/200m用、400m/ハードル用、中長距離用、跳躍用など、特定の種目の動きに特化したモデル。
- オールラウンドモデル(多種目兼用モデル): 短距離、中距離、ハードル、跳躍(走り幅跳び、走り高跳び)など、陸上競技のほとんどの種目に幅広く対応できるよう設計された万能型モデル 。
この分類において、中学生の初心者が選ぶべきは「オールラウンドモデル」です。
入部したての中学生は、まだ自分の専門種目が確定していないことがほとんどですよね 。100mを走ることもあれば、リレーのメンバーになることも、ハードルや走り幅跳びに挑戦することもあるでしょう。オールラウンドモデルは、こうした多様な種目の基礎を学ぶ時期に最適です。
技術的な観点からも、オールラウンドモデルは初心者に推奨されます。短距離専用モデルは、反発性を高めるためにソールが硬く、かかと部分のクッションがほとんどないものが多いです。一方、オールラウンドモデルは、跳躍種目での着地も考慮し、かかと部分に適度なクッション性を持たせているモデルが主流です(例:アシックス エフォート)。この「適度なクッション性」と「汎用性」が、まだ技術が固まっていない初心者の足を守り、様々な動きの基礎技術を安全に習得することを助けてくれます。
初心者向け土兼用スパイク3選
上記2つの原則(「土兼用」かつ「オールラウンド」)を満たす、中学生の最初の1足として実績と人気のある定番モデルを紹介します。
アシックス エフォート(EFFORT)シリーズ
まさに「最初の1足」の王道とも言えるモデルですね。短距離、ハードル、跳躍まで、トラック種目全般に対応する設計が特徴です。特に、かかと部分にクッション性を備え、初心者が安心して使用できる安定感が高く評価されています。長年にわたり、多くの中学生のファーストスパイクとして選ばれ続けている信頼感があります。
ミズノ エックスファースト(X FIRST)3
ミズノが展開する初心者向けのオールラウンドモデルです。「キミの初めての1足」というキャッチコピーの通り、入門用に最適化されています。耐久性と安定性を重視した設計で、毎日の練習(土トラック)でもタフに使用できます。ミズノらしいフィット感を好む選手にも人気ですね。
アディダス アディゼロ スプリントスター(Adizero Sprintstar)
アディダスのラインナップの中でも、土兼用に対応するモデルとして人気です。上記の2モデルに比べると、より短距離・ハードルに寄せた設計かもしれませんが、オールラウンドに対応可能です。何よりシャープなデザイン性が特徴で、機能性だけでなく見た目にもこだわりたい選手によく選ばれています。
(参考)各種汎用モデル
オンラインストアなどでは、上記のような有名ブランドの定番モデル以外にも、より安価な汎用スパイク(4,000円~6,000円程度 )も販売されています。練習頻度があまり高くない場合や、まずは試してみたいという場合には選択肢になるかもしれませんが、耐久性やフィット感は専門店のスタッフと相談して確かめるのが一番安心かなと思います。
練習用アップシューズの定番モデル
次に、怪我予防のために必須となる2足目、「アップシューズ」の定番モデルです。スパイクが決戦用の「道具」なら、こちらは毎日の練習を支える「相棒」です。ハードな練習に耐え、脚をしっかり守ってくれる、信頼できるモデルを選びたいところですね。
アシックス ライトレーサー(LYTERCEAR)6
「部活生シューズ」の代名詞とも言える存在です 。陸上競技だけでなく、さまざまな競技の部活生におすすめされる万能シューズですね。ハードなトレーニングに求められるスピードとタフさを兼ね備えています 。特に、アッパーの破れやすい箇所に補強を施すなど高い耐久性を誇り 、毎日のように土のグラウンドで走る中学生には最適です。アウターソールも多方向への動きに対応する意匠に改良されており 、直線的な走り込みだけでなく、ドリルや筋力トレーニングにも使いやすいのが特徴です。
アシックス ターサー(TARTHER)RP 3
ライトレーサーよりも軽量性や反発性を重視する選手に人気のモデルです 。アップシューズとしてだけでなく、インターバル走やレペティションといったスピード練習でも高いパフォーマンスを発揮します 。ライトレーサーよりもソールが薄く、地面に力を伝えやすい感覚があるため、中級者以上の選手が「薄底のアップシューズ」として、よりスパイクに近い感覚でスピード練習を行うために使用するケースも多いです 。
ミズノ ウエーブデュエル(WAVE DUEL)4
ミズノの部活生向け定番シューズです。ミズノ独自の波形プレート「ウエーブプレート」による高い反発性と安定性が特徴で、スピードを意識した練習に適しています。アシックスのターサーと競合するモデルと言えるかもしれません。
補足:スパイク代わりになる「レースシューズ」という選択肢
陸上を始めたばかりの初心者の中には、スパイクのピンが地面に刺さる独特の感覚や、足裏が突き上げられる感覚が苦手な選手もいます。そうした選手にとって、有効な選択肢となるのが「薄底のレーシングシューズ」です。
重要なのは、これらの薄底レーシングシューズの中には、大会の靴底厚規定(20mm以下)をクリアしているモデルがある点です(例:アシックス ハイパーレーサー、ミズノ デュエルソニック4など)。
このルール(トラック種目は靴底20mm以下)は、2024年11月1日から全面的に適用されている新しい規定です(出典:一般財団法人栃木陸上競技協会「競技用靴のルール変更について:2024.11.1~」)。
これらの「20mm以下の薄底レースシューズ」は、スパイクの代わりとなる「大会本番用シューズ」として使用することが認められています。スパイクがどうしても合わないと感じる場合は、指導者や専門店のスタッフに相談してみるのも良いと思いますよ 。
冬季練習にも役立つ専門シューズ
最後に、3足目として揃えたい「トレーニングシューズ(スプリントトレーニングシューズ)」です。これは、陸上短距離を専門的に行う中・上級者向けのシューズであり、特に基礎練習を徹底的に行う冬季練習などで、その真価を発揮します 。
このカテゴリのシューズは選択肢が限られており、実質的に以下の2モデルが市場を代表しています。
アシックス ウインドスプリント(WINDSPRINT)3
スピードトレーニングやスプリントドリルなど、「速い動き」の中で技術を確認する練習に最適とされています 。アッパー素材にはスパイクでも使用されるモーションラップアッパーを採用し、軽量性とフィット性を高めています 。スパイクに近いフラットなソールで、接地と体重移動がしやすいのが特徴です 。
ミズノ ビルトトレーナー(BUILT TRAINER)2
ウインドスプリント3が「スピード重視」なのに対し、ビルトトレーナー2は「安定感重視」と評されます 。ソールがよりフラットでしっかりしており、耐久性にも優れています 。そのため、ジャンプトレーニングや、よりハードな補強運動、ウエイトトレーニングなどで安定感を求める選手に適していますね 。
【再確認】アップシューズとの併用が絶対条件
しつこいようですが、本当に大事なことなので繰り返します。これらのシューズは、スパイクに近い感覚で「技術練習」をするためのものです 。クッション性は意図的に低くされているため 、ジョグや長距離の走り込みには絶対に使わず、必ず「アップシューズ」と併用してくださいね。
シューズの価格相場は?
必要なシューズの種類とモデルが明確になったところで、次に気になるのは予算感ですよね。必要なシューズを揃えるための価格帯は、あくまで一般的な目安ですが、おおよそ以下の通りです。
中学生陸上シューズの価格相場(目安)
| シューズの種類 | 主なモデル | 価格帯(目安) |
|---|---|---|
| ① 陸上スパイク (土兼用・オールラウンド) |
エフォート、エックスファースト、スプリントスター | 約9,000円~12,000円 (※安価な汎用モデルは4,500円程度~ ) |
| ② アップシューズ (部活生モデル) |
ライトレーサー6、ウエーブデュエル4 | 約10,000円前後 |
| ③ トレーニングシューズ (専門モデル) |
ウインドスプリント3、ビルトトレーナー2 | 約10,000円~13,000円程度 |
結論として、中学生が陸上競技を始めるにあたり、最低限必要な2足(①スパイク+②アップシューズ)を揃えるための初期投資として、約15,000円から22,000円程度の予算を見込んでおくと良いかもしれません。
※価格はあくまで一般的な目安であり、購入時期や店舗、セールなどによって大きく変動します。参考程度にお考えください。
陸上シューズはどこで買うべきか
シューズは、オンラインストアや大型総合スポーツ店でももちろん購入可能です。でも、もしお住まいの地域の近くにあるなら、特に「最初の1足」を選ぶ際には、陸上競技用品の「専門店」に足を運ぶことを私は強くおすすめします。
大型総合スポーツ店は利便性が高い一方で、スタッフの方が必ずしも陸上競技の専門家であるとは限りません。悪気はなくても、サッカーやバスケットボールの知識はあっても、陸上スパイクの微妙な特性までは詳しくない、というケースも考えられます。
一方、陸上専門店(例えば、SteP SPORTSさんのようなお店 )には、他の店舗にはない圧倒的なメリットがあります。
メリット1:専門知識を持つスタッフの存在
陸上専門店のスタッフの多くは、ご自身も陸上競技経験者です 。彼らは、単に足のサイズを測るだけでなく、選手の足の形(幅広、甲高など)、練習内容(土かオールウェザーか)、目標(短距離か跳躍か)をヒアリングし、カタログスペックだけでは分からない専門的な視点で最適なシューズを提案してくれます。「このスパイクは反発が強いから、まだ筋力がないうちはこっちの安定するモデルがいいかも」といった、経験に基づいたアドバイスがもらえるのは非常に心強いです。
メリット2:圧倒的な品揃え
専門店は、陸上競技とランニング用品に特化しており、約200種類のランニングシューズやスパイクを取り揃えている店舗もあります 。初心者向けのオールラウンドモデルから、中・上級者向けの専門モデルまで、実際に履き比べて選ぶことができます。
特にスパイクは、メーカーやモデルによってフィット感が大きく異なります。A社の26.0cmとB社の26.0cmでは、履き心地が全く違うことも珍しくありません。中学生の足の形は個人差が大きく、また成長も速いため、専門家による正確なフィッティングと、複数のモデルを試せる環境が、パフォーマンス向上と怪我予防に直結すると思います。
中学生の陸上短距離シューズおすすめ総括
「中学生の陸上短距離シューズのおすすめ」について、シューズを使い分ける「システム」の重要性から、なぜそれが必要なのか、そして具体的なモデルまで、かなり詳しくお話ししてきました。
最後に、大事なことをもう一度まとめますね。
中学生短距離選手のシューズ戦略まとめ
- STEP 1(必須・最優先): まず「① スパイク(土兼用・オールラウンド)」と「② アップシューズ(部活生モデル)」の2足を同時に揃えること。
- STEP 2(推奨・中級者以上): 競技に慣れ、専門性が高まり、スプリント技術をより深く追求したくなったら「③ トレーニングシューズ」の導入を検討すること。
- 最重要の心構え: 練習時間の9割を占めるジョグや走り込みで、クッション性のないスパイクやトレーニングシューズを絶対に使用しないこと。必ず「アップシューズ」を使用し、日々の練習で蓄積する衝撃から脚を守ること。
中学生にとって、陸上シューズは「速く走るための道具」であると同時に、「成長期の身体を守るための防具」でもあります。
初期投資として2足(約15,000円~22,000円)を揃えることは、保護者の方にとって一時的に負担に感じられるかもしれません。しかし、この初期投資を惜しんでシューズの使い分けを怠った結果、シンスプリントや疲労骨折などの深刻な怪我を負い、「走りたいのに走れない」という辛い時期を数ヶ月間過ごすことになってしまうのは、本当にもったいないです。
正しいシューズ・システムを構築すること。それが、お子さんやご自身が、陸上競技という素晴らしいスポーツを、長く、楽しく、そして安全に続けるための最大の秘訣かなと、私は心から思います。
この記事で紹介した情報は、あくまで一般的な選び方や目安です。最終的には、お店の専門スタッフや、部活動の指導者のアドバイスも参考にしながら、ご自身の足に最もフィットする一足を見つけてくださいね。


