小学生の陸上短距離シューズおすすめは?選び方も解説

選び方・比較

こんにちは!スポーツシューズNAVIのFです。

お子さんが陸上クラブに入ったり、短距離走に本格的に取り組み始めたりすると、保護者として気になるのが「シューズ選び」ですよね。「小学生の陸上短距離シューズって、おすすめはどれ?」「普通の運動靴じゃダメなの?」と悩む方も多いと思います。

特に「陸上スパイクはいつから履かせるべき?」という疑問は大きいですよね。スパイクを履けば速く走れそうなイメージはありますが、小学生の体への負担も心配です。また、スパイク以外で使う練習用のシューズ、いわゆる短距離用ランニングシューズはどんな機能が必要なのか、アシックスやミズノといったメーカーごとの違いも気になるところかなと思います。

私自身も子供のシューズ選びでは色々リサーチしたので、この記事では、小学生の陸上短距離シューズの選び方について、保護者目線で押さえておきたいポイントを私なりにまとめてみました。

  • シューズ選びの基本的な考え方(「併用」がカギ)
  • スパイクデビューの推奨時期と選び方の4つの鉄則
  • スパイク以外で使う練習用シューズのおすすめモデル
  • 見落としがちなサイズ選びや陸上専用ソックスの知識

小学生の陸上短距離シューズ、おすすめの選び方

まずは、シューズを選ぶ上での大前提や、スパイクに関する基本的な知識から見ていきましょう。ここが一番大事な土台の部分かもしれませんね。安全に陸上を楽しむためにも、ぜひ押さえておいてください。

陸上スパイクはいつから?低学年は厳禁

保護者の方が一番迷うのが、「スパイクデビューの時期」かなと思います。陸上選手=スパイク、というイメージが強いですもんね。

私が見聞きした情報や一般的な推奨としては、小学4年生(10歳)くらいからが一つの目安とされていますね 。

ただし、これはあくまで目安です。いきなり履き始めるのはNGで、最低でも半年から1年くらいの陸上経験を積んで、ある程度走るフォームが固まってから、というのが大事な前提になるようです 。

逆に、小学校低学年(1〜3年生)の場合は、スパイクは絶対に履かせないほうが良い、というのが専門的な見解のようです 。

低学年にスパイクがNGな理由

これには、医学的・運動力学的なはっきりとした理由があります。

  • 身体的な未熟さ:   低学年の児童は、まだ走るフォームが確立されていませんし、スパイクの強い反発を制御するための筋力も圧倒的に不足しています 。
  • スパイクによる過度な負荷:   スパイクは、硬いプレートと金属製のピンによって、半ば強制的に特定の走り方(フォアフット、つまりつま先接地)を強いる構造になっています 。この負荷が、未発達な低学年の体や脚には大きすぎて、シンスプリントや疲労骨折といった怪我(故障)のリスクを著しく高めてしまうんですね 。

スパイクは「良いフォームを教えてくれる道具」ではなく、「すでに持っている良いフォームと筋力を、ピンとプレートで増幅し速さに変える道具」というイメージです。

安全第一で考えると、低学年のうちはしっかりとした作りのランニングシューズで基礎(フォームと筋力)を作ることが、将来的な成長のためにも最も大切、ということですね。

スパイク選びの失敗しない4つの鉄則

高学年になり、コーチからもOKが出て、いざスパイクデビュー!となった時に、失敗しないための「4つの鉄則」があるようです 。

小学生のファーストスパイク・4つの鉄則

  1. 国内メーカー(アシックス・ミズノ)一択   海外メーカー(ナイキ、アディダスなど)のスパイクは、トップ選手向けに反発力が強すぎたり、欧米人の足型に合わせて靴幅が狭かったりする傾向があります。日本人の足型に合わせて設計され、反発力も比較的マイルドな国内メーカーのモデルが、安全性と快適性の両面で最適です 。
  2. 種目専用ではなく「オールラウンドモデル」を選ぶ   小学生の時期は、短距離、中長距離、ハードル、走幅跳など、様々な種目に挑戦し、自身の適性を見極める大切な時期です。短距離専用スパイクなど特定の種目に特化したモデルは、適性が定まる中学生以降でも遅くありません。まずは幅広い種目に対応できる「オールラウンドモデル」を選びましょう 。
  3. 練習でも使える「土兼用」スパイクを選ぶ   陸上スパイクには、試合会場の「タータントラック(オールウェザー)」専用のモデルと、学校の校庭や練習場の「土トラック(アンツーカ)」でも使える「土兼用」モデルがあります。小学生は成長期で足のサイズがすぐに変わるため、試合でも練習でも使える「土兼用」モデルを1足用意するのが、経済的にも最も合理的です 。
  4. 「初心者向けモデル」を選ぶ   中・上級者向けモデルは、筋力や技術が完成された高校生・大学生のトップ選手を対象に設計されています。小学生がこれらを使用すると、オーバースペックで脚への負担が過大になり、が懸念するような「中学校や高校での伸び悩み」の遠因になりかねません。「初心者向け」または「入門用」として設計されたモデルを選ぶのが無難です 。

まずは安全に、陸上競技に慣れてもらうためのシューズを選ぶ、という視点が重要ですね。高価なトップモデルが、必ずしもお子さんのためになるとは限らない、ということです。

おすすめスパイク:アシックスとミズノ

先ほどの「4つの鉄則」をすべて満たす、小学生のファーストスパイクとして専門的に推奨できる、代表的な2つのモデルを紹介しますね。

アシックス エフォート 13 (ASICS EFFORT 13)

まさに「スパイクデビューの定番」と言われるモデルです 。

  • 足への負担を軽減する設計に重点が置かれており、スパイク初心者でも安心して履ける十分なクッション性を備えています 。
  • 接地時のアーチ(土踏まず)の過度な落ち込みを抑制する「ARCHWRAP(アーチラップ)」や「TORSION CONTROL(トルションコントロール)」といったサポート機能を搭載し、安定した走りを支えてくれます 。
  • トラック全般(100m〜1500m、ハードル、走幅跳、三段跳、棒高跳)に対応する「オールラウンドモデル」であり 、「土兼用」です 。
  • 価格帯も約7,000円〜9,000円台が目安と、比較的手頃なのも嬉しいポイントです 。

ミズノ エックスファースト 3 (MIZUNO X FIRST 3)

こちらもアシックスと並ぶ、国内メーカーの優れた「入門スパイク」です 。「未来のアスリートに贈る最初の1足」というキャッチコピーも素敵ですね 。

  • 最大の特徴は、通常よりも「柔らかめのプレート」を搭載している点 。これにより、筋力がまだ十分でない小学生でも楽に履きこなすことが可能です。
  • ソール前足部の反り返りがあまりないフラットなソールを採用しており、「ランニングシューズのような感覚」で履けるため、スパイク特有の硬さや感覚への移行が不安な子供にも適しています 。
  • もちろん「土兼用」であり、「短・中・長距離・走幅跳用」のオールラウンドモデルです 。
  • 価格帯は約9,500円〜10,000円が目安のようです 。

【F的まとめ】どっちを選ぶ?

どちらも素晴らしい入門スパイクですが、あえて選ぶ基準を私なりに考えると…

モデル名 メーカー 特徴 プレート感覚 推奨タイプ
エフォート 13 アシックス サポート機能による安定性・ホールド感重視 やや硬め(標準的) 安定感やしっかりした履き心地を求める子
エックスファースト 3 ミズノ 柔らかいプレートで足に優しい 柔らかめ(ランシュー感覚) スパイクの硬さへの移行が不安な子

最終的には、お店で両方試着させてみて、お子さんの足に合い、「こっちの方が走りやすそう!」と本人が感じた方を選ぶのが一番かなと思います。

スパイク以外のおすすめシューズとは?

さて、ここからが非常に重要なんですが、陸上をやるなら「スパイクだけ」という考えはNG、というのが定説のようです。

結論から言うと、陸上競技におけるシューズの最適解は…   「陸上スパイク(試合・専門練習用)」と「トレーニングシューズ(練習用)」の2足併用なんです 。

スパイクは記録を出すための「本番用ギア」ですが、足への負担が非常に大きい。そのため、ウォーミングアップやクールダウン、そして特に走り込みの量が増えるシーズンオフの冬季練習では、足への負担を軽減できる「トレーニングシューズ(アップシューズ)」を履くことが絶対必須です 。

陸上部やクラブに入部したら、スパイクよりも先に準備すべきなのが、この「トレーニングシューズ」なんです 。練習の大半は、こちらで行うことになりますからね。

低学年のうちは、もちろんこのトレーニングシューズ1足でOKです。

短距離用ランニングシューズの機能

じゃあ、その「トレーニングシューズ」は、いわゆる運動会で速く走れる「瞬足」や「バネのチカラ」などと同じで良いのでしょうか?

運動会では素晴らしいシューズですが、陸上クラブでの「トレーニング」という観点では、少し求められる機能が違ってくるようです 。

  1. 軽量性とスピード:   練習とはいえ、短距離の動きに対応できる、軽くてスピードが出しやすいこと 。
  2. 適度なクッション性:   走り込みの練習で、故障から足を守る、必要十分なクッション性 。厚すぎないのがポイントです。
  3. 接地感(グラウンドフィール):   これが一番の違いかも。最近の厚底クッションシューズが「楽に走らせてくれる」のに対し、陸上トレーニング(特に短距離)では、あえてソールが薄めのシューズを履き、「自分の足で地面を掴み、押す」という感覚を養うことが技術習得に不可欠とされます 。

小学生(特に低学年)が履くべきシューズは、足を「楽させる」モデルではなく、足を「鍛える」ことができるモデルであるべき、というのが専門的な考え方のようですね 。

小学生の陸上短距離におすすめのシューズ紹介

それでは、具体的に「トレーニングシューズ(アップシューズ)」として、どんなモデルがおすすめなのか、いくつかピックアップして紹介しますね。お子さんの学年や陸上への真剣度に合わせて選ぶと良いかなと思います。

高学年レース用シューズ:アシックス

高学年になって、スパイク禁止の大会に出る場合や、スパイクに近い感覚で練習したい子におすすめなのがこのタイプです。低学年のお子さんには、まだ少し早いかもしれません。

アシックス ハイパーレーサー (ASICS HYPER RACER)

「スパイク代わりにランニングシューズを選ぶなら一押し」とまで言われるモデルです 。

  • 特徴は、とにかく「接地感」 。ソールが薄めで、自分の足で地面を押す感覚、足裏や足首をしっかり使って走る感覚をダイレクトに学べます 。
  • ソールの最大厚みが20mm以下であり、陸上のトラック競技のルールにも適合しているため、スパイクが使えない大会でも本番用レースシューズとして使用可能です 。
  • 20.0cmからサイズ展開があるのも小学生には嬉しいポイントですね 。

練習用万能シューズ:アシックス

「まずはこの一足」として、陸上を始めたばかりの子から、通学と練習を兼用したい子まで、幅広く対応できる万能モデルです。

アシックス レーザービーム (ASICS LAZERBEAM)

小学生シューズとしておなじみのレーザービームですが、実は陸上練習用としても非常に優秀なんです。

  • なんと、一部のモデル(KC-MGやSI-MGなど)は「日本陸連推奨」のお墨付き 。運動会や陸上クラブでの使用に公式に認められているんですね。
  • 「滑りにくさを追求したラバー素材」「独自のソールパターン」により、「地面をしっかりつかむ感覚がある」とレビューされており 、短距離走に必要なグリップ力を備えています。
  • 耐久性に関しても「瞬足よりは少し高いが、耐久性を考慮に入れるとトータルではコスパも良い」という評価 は、保護者にとって有益な情報です。
  • 実際に「息子の陸上短距練習用に購入。走りやすいそうです」という実際の使用レビューもあり、練習用としての適性が確認できます 。

補足:レーザービームのモデルの違い

レーザービームはモデル名が色々あって分かりにくいですが、陸上練習で使うなら以下の点を参考にすると良いかもです 。

  • MG:面ファスナー(マジックテープ)のベルトタイプ。低・中学年にはこちらが便利ですね。
  • S (Sprint):速く走るためのスピードタイプ(人工皮革)。
  • R (Running):速く走るためのスピードタイプ(メッシュ)。通気性重視ならこちらかも。
  • AVANTE:耐久性に優れた、サッカーテイストのシリーズ。土のグラウンドでガンガン練習するなら、耐久性重視のこのモデルもアリかもしれません。

練習用入門シューズ:ミズノ

陸上を始めたばかりの低・中学年に、特におすすめしたいモデルです。

ミズノ スピードスタッズ (MIZUNO SPEED STUDS)

「走り始めたジュニアにぴったり」な入門モデルです 。

  • 最大の特徴は、なんといっても「脱ぎ履きが簡単なベルクロ(マジックテープ)」タイプであること 。低・中学年のお子さんには、これが地味に助かりますよね。
  • もちろん機能も十分で、軽量(22.0cm片方で約165g) であり、「縦横無尽の動きに寄り添った1足」とされている ことから、陸上の多様な基礎練習にもしっかり対応してくれそうです。

シューズの正しいサイズ選び方

どんなに良いシューズを選んでも、サイズが合っていなければ意味がありません。特に陸上競技では、シューズが緩すぎてもキツすぎても、パフォーマンス低下や怪我に直結します。

サイズ選びの重要ポイント

  • つま先の余裕:「5mm~1cmの余裕があるもの」が必須です 。これが「捨て寸」と呼ばれるものですね。
  • 「大きすぎ」は厳禁!:「すぐに大きくなるから」と、1.5cm以上も余裕を持たせるのは、陸上競技においては絶対にNGです。シューズ内で足が滑る(動く)ことは、力の伝達ロス(=遅くなる)と、マメや水ぶくれ(=怪我)の直接的な原因になります。
  • 甲と足幅:甲の高さが調整できるもの(マジックテープや紐)、足幅(ウィズ)の確認も重要です 。国内メーカーは日本人の足幅に合わせてくれていますが、それでも個人差はありますからね。

試着の際はココをチェック!

  1. 必ず陸上で使うソックスを履いて試着する。
  2. かかとを「トントン」と合わせて、靴紐やベルトをしっかり締める。
  3. その状態でつま先に5mm〜1cmの余裕があるか確認する。
  4. 足幅がきつすぎたり、逆に緩すぎたりしないか確認する。

パフォーマンスと安全のため、「ジャストサイズ(+5mm~1cmの捨て寸)」を守ることが、普段履きの靴以上に重要です。

陸上ソックスも重要!5本指など

シューズにばかり目が行きがちですが、ソックスも「隠れたパフォーマンスギア」だと私は思っています。シューズと足をつなぐ重要なインターフェースですからね。

特に陸上専用のソックスには、速く走るための機能が詰まっています。

  • 5本指ソックス:   足指がソックスの中で独立して動くため、地面を掴む(把握する)感覚が格段に向上します 。これは、の「足裏の感覚」やの「地面をしっかりつかむ感覚」を最大限に引き出す助けとなります。
  • 滑り止め付きソックス:   シューズの中で足(ソックス)が滑るのを防ぎます 。高価なスパイクを履いても、中で足が滑っていては力が100%地面に伝わりません。この「滑り止め」は、力のロスを最小限に抑えるために非常に重要です。
  • アーチサポート機能:   土踏まず(アーチ)を支える機能 が付いたモデルもあります。長時間の練習による足の疲労を軽減してくれる効果が期待できますね。

アシックス やミズノ などから、陸上専用の「5本指」かつ「滑り止め付き」のソックスが販売されています。シューズの性能を最大限に引き出すために、シューズとセットで検討してみるのも良いかもしれません。

小学生の陸上短距離シューズおすすめ総括

最後に、ここまでの内容を「結局、うちの子には何を買えばいいの?」という疑問に答える形で、私なりにまとめてみますね。

【F的】小学生の陸上シューズ選び総括

  • 低学年(1〜3年) / 陸上始めたて   スパイクは厳禁です 。まずは「練習用シューズ」を1足準備しましょう。通学と練習を兼用するなら「アシックス レーザービーム」(特に日本陸連推奨モデル) 、陸上専用で履きやすさ重視なら「ミズノ スピードスタッズ」 がおすすめです。
  • 高学年(4〜6年)・初心者(陸上経験1年未満)   いきなりスパイクではなく、まずは「練習用シューズ」で陸上競技の基礎的な動きと足を作ります 。スパイクの導入は、指導者(コーチ)と相談し、基準(例:陸上経験が半年〜1年以上)を満たしてから検討します 。
  • 高学年(4〜6年)・経験者(陸上経験1年以上)   記録を目指すなら「スパイク(試合・専門練習用)」と「練習用シューズ」の2足併用が最強です 。スパイクは「エフォート13」 や「エックスファースト3」 などの安全な入門モデルを選びましょう。

一番大切なのは、お子さんの安全(怪我の防止)と、パフォーマンスの向上、この両方をバランス良く考えることかなと思います。

シューズは、お子さんの成長やレベル、そして足に合う・合わないが必ずあります。最終的には、お店で実際に試着させてあげるのが一番ですね。

この記事で紹介した情報は、あくまで一般的な目安や私なりの解釈を含んでいます。シューズの機能や価格、そして特に大会のルールは変更される可能性があります。

例えば、スパイクのピンの長さは大会ルールで厳格に定められています。全国小学生陸上競技交流大会の例では、スパイクのピンは「全種目9mmを超えないもの」と規定されています(出典:日本陸上競技連盟 2024年度 全国小学生陸上競技交流大会 監督・競技者注意事項) 。スパイク購入時に付属するピンがルール違反(例:12mm )である可能性もあるため、必ず確認が必要です。

最終的なシューズ選びや、練習方法、スパイクを履き始める時期については、所属する陸上クラブの指導者(コーチ)や、スポーツ用品店の専門スタッフにご相談いただくことを強くおすすめします。

タイトルとURLをコピーしました