こんにちは!スポーツシューズNAVIの運営者「F」です。
テニスやバドミントンを始めようと思ったとき、または体育館でテニスシューズを使おうとしたとき、「どっちのシューズも似てるし、兼用(代用)しても大丈夫かな?」と考えたことはありませんか?
ラケットスポーツという共通点や、見た目が似ているモデルもあるため、ついインドアシューズとしてまとめて考えがちですよね。実は私も最初はよくわからず、体育館でテニスシューズを持ち込んで、ツルツル滑ってまともに動けなかった苦い経験があります。
この「設計思想の違い」を知らないまま代用してしまうと、パフォーマンスが落ちる(実力が発揮できない)だけならまだしも、滑ることで転倒したり、最悪の場合は足首をひねるなど大きな怪我につながる危険性も潜んでいるんです。
この記事では、「なぜ代用がダメなのか?」という核心的な理由から、テニスシューズとバドミントンシューズの構造的な違いまで、それぞれのスポーツの特性を踏まえて分かりやすく解説していきますね。安全にスポーツを楽しむための第一歩として、ぜひ参考にしてください!
- テニスとバドミントンの設計思想の根本的な違い
- 「滑る」テニスと「止まる」バドミントンの靴底(ソール)の違い
- シューズの代用がなぜ危険なのか、その理由
- それぞれのスポーツに合った安全なシューズの選び方
テニス シューズ と バドミントン シューズ の 違い【設計編】

まずは、それぞれのシューズが「どんなスポーツか」「どんな場所でプレーするか」に合わせて、どのように専用設計されているのか、その「違い」を見ていきましょう。この根本的な設計思想の違いが、ソール、安定性、素材といったすべての機能差につながってくるんです。
ソールの違いは滑るか滑らないか

両者の違いが最も劇的に現れるのが、地面と唯一接する靴底(アウトソール)です。設計思想が「正反対」と言ってもいいくらい違います。
テニスシューズ:屋外の摩擦に耐え、「スライドを制御」するソール
テニスは、ハードコートや砂入り人工芝(オムニ)など、屋外の過酷なサーフェス がメインです。これらのコートは摩擦が非常に強かったり(ハードコートはヤスリのようです)、あえて滑らせたりする(クレーやオムニでのスライド)動作 が求められます。
そのため、テニスシューズのソールは、
- 卓越した耐久性: 屋外の強い摩擦に長時間耐えるため、非常に硬質で耐摩耗性の高いゴム(アブレーションラバー)が使われます。
- サーフェス別の溝: コートごとにパターンが最適化されています。例えば、オムニ・クレー用 (OC) は、砂や土を排出しつつグリップとスライドを両立する深い溝(ヘリンボーン=杉綾模様が一般的) が特徴です。オールコート用 (AC) は、主にハードコートを想定し、耐久性とグリップのバランスが取られています。
- スライド制御: ただグリップするだけでなく、トッププレイヤーが見せるようなスライド(滑り)を「意図的にコントロール可能」 にする役割も持っています。
バドミントンシューズ:屋内の床に「吸い付き、滑らない」ソール
一方、バドミントンは体育館のウッドフロアや樹脂マットといった、滑らかで均一な室内(インドア)専用です 。
バドミントンシューズのソールは、テニスとは逆に「滑ること」を徹底的に排除し、最大限のグリップ(静止摩擦)を生み出すために設計されています。
- 高いグリップ力: 床に吸い付くような、非常に柔らかい「ガムラバー」 や特殊配合ゴムが使用されます。
- フラットな形状: 床との接地面積を最大化するため、ソールは基本的に「フラット(平ら)」 に作られています。
- 細かいパターン: 前後左右斜め、全方向への急激なストップ&ゴーに対応するため、放射状や円形を多用した細かいパターンが刻まれています(例:「ラディアルブレードソール」 )。
- ノンマーキング仕様: 体育館のルールとして、床に色や傷をつけない「ノンマーキングソール」 であることが必須条件です。
安定性の違いは横か縦か
シューズに求められる「安定性(スタビリティ)」の考え方も、スポーツの動作特性によってまったく異なります。テニスは「横倒れ」を防ぐ外部構造、バドミントンは「ねじれ」と「着地」を制御する内部構造を重視しています。
テニスシューズ:「横ブレ」を防ぐための「外壁」
テニスのフットワークは、ベースライン上での激しい左右への移動(サイドステップ)やスライド が中心です。その際、足がシューズの側面(外側)を突き破るように倒れ込む「横ブレ」が最大の敵となります。
これを防ぐため、テニスシューズは「外的な要塞」とも呼べる強固な構造を持っています。
- ソールの巻き上げ: アウターソール(靴底)がアッパー(靴本体)の外側に「巻き上げられて」おり 、これが物理的な「壁」として機能します。
- アッパーの補強: アッパー側面自体も、PU(ポリウレタン)パネル や人工皮革 でガッチリと補強されています。
- 中足部の補強: 靴全体が横に「ぐにゃり」と曲がってしまわないよう、中足部にTPU(硬質プラスチック)製のシャンク やトーションシステム という「背骨」が搭載されています。
バドミントンシューズ:「ねじれ」と「着地」を支える「土台」
バドミントンシューズは、俊敏性のための軽量性 を最優先しつつ、異なる種類の安定性を追求します。それは、俊敏な切り返し時の「靴のねじれ(トーション)」を防ぐこと と、ジャンプからの「垂直方向の着地」 を安定させることです。
これは「内的なシャーシ(車台)」と呼べる構造です。
- ねじれ防止: テニスのような「側面の壁」ではなく、ソールの中足部に「ねじれ防止」のためのパーツ(シャンク) が内蔵されます。これにより、足が靴底の上で不安定にねじれるのを防ぎます。
- 着地安定性: ジャンプからの着地は、足に体重の何倍もの衝撃を与えます 。この垂直衝撃をしっかり受け止めるため、かかとを安定させるヒールカップや、立体的なカーボン繊維 などを靴底中央部に採用し、土台の安定性を高めています。
アッパー素材とクッション性の違い
シューズの上部(アッパー)と、中間層(ミッドソール=クッション)にも、スポーツの特性が色濃く反映されていますね。
アッパー素材:耐久性のテニス vs 軽量・通気性のバドミントン
テニスシューズのアッパーは、とにかく「耐久性」が最重要課題です。スライド時にコートと接触・摩擦するため、摩耗しやすい前足部は、人工皮革 や、適所に配置されたPU(ポリウレタン)パネル で強固に覆われています。メッシュ素材を使う場合も、その上を樹脂でコーティングしていることが多いですね。
バドミントンシューズは、俊敏なフットワークを最優先するため、「軽量性」と「通気性」が重視されます 。アッパーの広範囲にメッシュ素材 を採用し、シューズ内の蒸れを効果的に軽減します。ただし、メッシュは軽いぶん型崩れしやすく、テニスシューズほどの強固なホールド感(特に横方向)は期待できません 。
クッション性:走行のテニス vs 跳躍のバドミントン
テニスシューズは、長時間のプレーでの走行や、急激なストップ時の衝撃を緩和するクッション性がミッドソールに搭載されています(例:アディダスのadiPRENE+クッショニング )。ただし、安定性を損なわないよう、過度に柔らかく(フワフワに)することは避けられ、安定性とクッション性のバランスが重視されます。
バドミントンシューズは、「ジャンプの着地」 という、局所的で非常に強い衝撃を吸収することに特化しています。かかと部 やミッドソール には、着地衝撃を吸収しつつ、それを反発性(次の一歩への推進力)に変える 高性能な衝撃吸収反発素材(例:ヨネックスのパワークッション など)が重点的に配置されています。膝や足首への負担を減らす「安全対策」 としての役割も大きいですね。
重さの違いは俊敏性か耐久性か
ここまでの違い(ソールの硬さ、アッパーの補強、安定性の構造)をまとめると、シューズ全体の「重さ」の違いも納得がいくかなと思います。
テニスシューズは、屋外での耐久性 や横方向の安定性 を確保するために、アッパーやソールを強固に補強する必要があります。その結果、どうしてもシューズ全体は「重め」の作りになります。
バドミントンシューズは、全方向への俊敏なフットワークとジャンプ、そして疲労軽減が求められるため、耐久性よりも「軽量性」 が優先されます。アッパーにメッシュ素材を多用する のも、この軽量化のためですね。
実際に両方のシューズをスポーツ用品店などで持ち比べてみると、この重さの違いはハッキリと体感できると思います。バドミントンシューズの軽さに驚くかもしれませんよ。
インドアシューズとバドミントン靴
よく「バドミントンシューズはインドアシューズの一種?」と聞かれますが、その通りです。
バレーボール、フットサル(室内用)、卓球、ハンドボールなどのシューズと同じ、「体育館や室内コートで使う靴」 の大きなカテゴリに含まれます。
インドアシューズの共通点とは?
インドアシューズは基本的に、滑らかな床でグリップを発揮する「平らで滑りにくいソール」 であり、床に色や跡をつけない「ノンマーキングソール」 仕様になっているのが共通点です。
ただし、同じインドアシューズでも、バレーボールはジャンプ、フットサルは足裏のボールタッチ、卓球は微細なステップ…と、それぞれ求められる機能が異なります。
その中でもバドミントンシューズは、特に「ジャンプの衝撃吸収()」、「軽量性()」、そして「360度のグリップ()」に特化して設計されている、インドアシューズの中の「専門職」みたいなイメージですね。
テニス シューズ と バドミントン シューズ の 違い【代用編】

さて、ここまでの【設計編】で、両者がいかに異なる目的で作られているか、お分かりいただけたかと思います。この「設計の違い」を踏まえると、「じゃあ、やっぱり代用はマズイかも…」と感じてきたのではないでしょうか。
ここでは、なぜ代用が危険なのか、その具体的なリスクについて、ケース別に詳しく解説します。
代用が危険な理由と怪我のリスク
結論から言うと、「テニスシューズでバドミントン」も、「バドミントンシューズでテニス」も、どちらの代用も絶対に推奨しません。
テニスシューズとバドミントンシューズは、似ているようで「グリップ vs スライド」「耐久性 vs 軽量性」「横の安定性 vs ねじれの安定性」といったように、求められる主要機能が「正反対」の部分が多いんです。
不適切なシューズを使うことは、単に実力が出せない(パフォーマンスが低下する )だけでなく、予期せぬ転倒 や重大な怪我 に直結する行為だと認識することが重要です。
シューズはラケット以上に重要な「安全装備」です
シューズはラケットと同じ道具であると同時に、自分の身体(特に足首や膝)を守る「安全装備」でもあります。スポーツの特性やサーフェスに合わないシューズを選ぶことは、大きなリスクを伴うことを知っておいてほしいなと思います。
テニスシューズは体育館で滑る?
はい、めちゃくちゃ滑ります。私も経験がありますが、本当に危険です。
その理由は明確で、テニスシューズの「硬いソール」と「深い溝」 にあります。この構造は、体育館のツルツルした平らな床面との接地面積を最小にしてしまいます。
さらに最悪なのが、床に目に見えないくらいのわずかなホコリや砂が入り込むケースです。ホコリが靴底と床の間に入り込むと、接する面積が極端に小さくなり、摩擦力がほぼゼロになります 。
バドミントンのように急激なストップ&ゴーを行おうとした瞬間、足がグリップを失い「スケートリンク」のように横滑りして、そのまま転倒… ということになりかねません。メーカーもソールの状態(硬化や摩耗)による転倒リスクを警告しています(出典:ヨネックス株式会社「製品を安全にご使用いただくために(バドミントン)」 )。
バドミントンシューズでテニスはOK?
いいえ、こちらの方がさらに危険です!絶対にやめてください。
これは、代用の中で最も怪我 につながりやすい、最悪のパターンだと私は考えています。理由は大きく2つあります。
1. シューズが即座に壊れる(耐久性の問題)
まず、シューズが持ちません。バドミントン用の柔らかいガムラバーソール は、屋外コート(ハードコートやオムニ)のヤスリのような路面を想定していません。数回のプレー、早ければ1日でソールに穴が開いたり、すり減ってツルツルになってしまいます。
また、テニス特有のスライド動作で、通気性重視のメッシュアッパー が地面に擦れると、即座に破れてしまいます。
2. 【最重要】深刻な足首の捻挫リスク(構造の問題)
これが一番怖い理由です。テニスで横に動いたとき、バドミントンソールは(本来なら適度に滑るべき場面でも)体育館のようにコートに強くグリップ(吸い付いて)しまいます。
しかし、シューズ本体には、テニスシューズのような横の動きを支える「外壁」(ソールの巻き上げ やアッパーの補強 )がありません。
その結果、どうなるか。
「靴底だけが地面に残り、足首から上だけが靴の側面を乗り越えて外側に倒れ込む」
という、最悪の形で足首をひねってしまうんです 。これは重度の捻挫や靭帯損傷につながる典型的な怪我のパターン なので、絶対に避けるべきです。
バドミントンシューズと足首サポート
「バドミントンシューズはローカットが多くて、足首のサポートが不安」という声も聞きます。確かに、軽量性 や足首の自由度を重視してローカットモデルが主流ですよね。
ただ、これは「サポートがない」のではなく、「安定性の考え方が違う」ということです。先述の通り、バドミントンシューズは靴底の「ねじれ防止」 や、かかとを安定させるヒールカップ、着地時のクッション によって、足元がブレないように「土台」で支える設計になっています。
もし足首自体に不安がある場合や、過去に捻挫の経験がある場合は、シューズのカット(形状)に頼るよりも、別途専用の足首用サポーターを併用する プレイヤーが多いですね。
足首のサポーター選びに迷った際は、こちらの記事「足首の捻挫予防・再発防止に!おすすめサポーターの選び方と種類」も参考にしてみてください。
ひと目でわかる機能比較表
最後に、ここまでの「テニスシューズ」と「バドミントンシューズ」の決定的な違いを、一覧表にまとめてみました。こうして見ると、まったくの別物だということがよく分かりますね。
| 比較項目 | テニスシューズ | バドミントンシューズ |
|---|---|---|
| 主戦場 | 屋外(ハード、オムニ、クレー) | 屋内(体育館・ウッドフロア) |
| アウトソール | 高耐久・硬質ゴム 深い溝(サーフェス別) スライドを制御 |
高グリップ・軟質ゴム(ガムラバー) フラット・細かいパターン ノンマーキング必須 |
| 安定性 | 横方向(側面)の剛性(外壁) | ねじれ防止 ・着地時 の安定(土台) |
| アッパー | 耐久性重視(人工皮革 ・樹脂補強 ) | 軽量性・通気性重視(メッシュ主体) |
| 重量 | 重め(安定・耐久性のため) | 軽め(俊敏性のため) |
| クッション | 走行・ストップ時の衝撃吸収 (安定性とのバランス型) |
ジャンプ着地時の衝撃吸収 (衝撃吸収・反発特化型) |
| 代用リスク | 体育館で「滑る」(転倒リスク) | 屋外で「即破損」&「深刻な捻挫」 |
テニス シューズ と バドミントン シューズ の 違いを知り安全に選ぼう
今回は、テニスシューズとバドミントンシューズの違いについて、かなり深掘りして解説してみました。いかがでしたでしょうか。
「ラケットスポーツ」という大きなくくりでは同じですが、シューズに求められる機能は、見た目の印象とは裏腹に「正反対」と言っていいほど違うことがお分かりいただけたかなと思います。
それぞれのスポーツ専用に設計されたシューズを選ぶことは、快適にプレーするための上達の近道であると同時に、何より自分自身の足を守るための最も重要な「安全対策」 です。
もし、それぞれのシューズの詳しい選び方についてもっと知りたい場合は、
- テニスシューズ選び:テニスシューズの代用はOK?危険な理由と選び方を解説
- バドミントンシューズ選び:【初心者向け】バドミントンシューズの選び方!3つの重要ポイントを解説
こちらの記事も、ぜひチェックしてみてくださいね。
シューズ選びで最も大切なこと
この記事で紹介した情報は、あくまで一般的な機能の特徴です。実際のフィット感や必要な機能は、個人の足の形(幅広・甲高など)、プレースタイル、レベルによって大きく異なります。
シューズを購入する際は、ネットの情報だけで判断せず、ぜひ店頭で実際に試し履きをしてください。そして、可能であればスポーツ用品店の専門スタッフに「どんなスポーツで、どんな場所で使うか」を伝え、相談することをおすすめします。
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